2021.12.21 Tue
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Q33
関節リウマチと診断されて骨がもろくなるといわれ骨粗鬆症治療薬も使っています。
その際、医師からは歯磨きを丁寧に行い、口の中を清潔に保つように指導されました。関節リウマチと歯磨きとはどのような関連があるのでしょうか?
A
骨粗しょう症治療にはビスフォスフォネートとよばれる薬が有効であるため多くの骨粗しょう症患者さんに使われています。しかし歯科治療、特に抜歯やインプラントなどの顎の骨に影響するような処置を受ける場合にビスフォスフォネート製剤の服用を一時中止するように言われることがあります。これはビスフォスフォネート製剤服用の患者さんでは顎の骨の修復が遅れたり、歯肉の感染のために傷がなかなか治らないことがあるためです(「顎骨壊死」)。顎骨壊死の原因はまだ十分に解明されていませんが、原因の一つに細菌感染の関与が考えられており、口腔内を清潔に保つことが重要と言われています。
骨粗鬆症の頻度が高い関節リウマチの患者さんにはビスフォスフォネート製剤が投与されている場合がありますので注意しましょう。
また、口の中が不潔であると歯周病を発症するといわれます。歯周病は細菌感染が原因の歯ぐきの炎症ですが最近、糖尿病や動脈硬化、脳梗塞、メタボなど全身の様々な病気にも関係しているといわれています。
さらに歯周病の細菌は関節リウマチ発症や病気の進行にも関わっていることが明らかになってきました。これはこの菌が関節リウマチを悪化させる可能性のあるシトルリン化蛋白とよばれる物質を生成している可能性があるためです。
口腔内を清潔に保つことは歯科治療を受ける場合にも、さらに歯周病からのリウマチを悪化させないためにも大切です。
(回答:藤咲淳先生)