2021.12.21 Tue Q&A回答のページ

Q8

関節リウマチ(RA)7年目です。メトトレキサート(MTX)にて関節の症状は改善してますが、外反母趾や足底のタコが気になります。

これらはリウマチによるものでしょうか?治療法を教えてください。  

A

外反母趾や足底のタコは通常関節リウマチの進行に伴って認められる変形です。

前足部(1-5趾)の変形は、ゆびの付け根の関節(MTP関節)の炎症による関節破壊が主な原因です。前足部の変形では、外反母趾の変形がよく見られます。これと他のゆびの変形が伴って、母趾内側の突出、ゆびの背側の突出、足底の突出がおこり、たこ(鶏眼)ができます。たこができると、なかなか治らず、削ってもしばらくしたらまたできるため、根本的に骨の変形を治さなければならなくなることもあります。まだ変形が進んでいない場合は、薬の治療が重要です。特に他の関節も腫れている場合には、薬の量を増やしたり変えたりする必要があります。

足だけに痛みや変形が残っている場合や、まだ変形の程度が軽い場合には、保存的治療法(手術をしない治療法)を行います。特に、足部のアーチが低下し足底に疼痛がある場合にメタタルザルアーチサポート(第2~第4のゆびの付け根の部分よりやや後ろ側の足底部をおし上げ横アーチを矯正)をもちいて用いて痛いところやたこができているところの負荷を減らします。足ゆび、足首のリハビリ(足首を顔の方に反らしゆびだけを足の裏側に曲げる、足のゆびだけでタオルをたぐりよせる)も重要です。痛いところ、腫れているところにステロイドの関節注射を打つことで、痛みや腫れがしばらくよくなることもあります。大事なことは足が腫れてきたと、気づいたらリハビリを忘れず毎日行うことです。一方、比較的進んだ変形の場合、その程度や年齢、活動性などにより種々の手術療法が用いられます。ただし、術式によっては専門の医療機関の受診が必要です。前足部(1-5趾)に対する手術治療─主に、切除関節形成術、関節固定術、人工関節置換術、関節温存術が用いられます。年齢や活動性、変形の程度に応じて、使い分けられます。どの手術法にも長所と短所があり、主治医の先生とよく相談しましょう。 

(回答:片山耕先生)