2021.12.21 Tue Q&A回答のページ

Q13

58歳、女性です。自分は関節リウマチで治療中です。エタネルセプト自己注射とメトトレキサートでとても良い状態です。39歳の娘が健康診断でリウマチの検査で陽性と言われました。今は関節の痛みはないと言っていますが、将来リウマチにならないか心配です。リウマチになる可能性は高いのでしょうか?

A

 関節リウマチは厳密な意味での遺伝性疾患ではありません。もちろん遺伝的背景が同一である一卵性双生児では、他方が関節リウマチを発症した場合に、もう一方が関節リウマチを発症するリスクは高くなりますので、遺伝的(素因的)要素が無関係とは言えません。しかし、逆に一卵性双生児でも他方が発症した場合でも、もう一方が必ずしも発症しないということは遺伝的要素以外の環境因子が関係していると考えられます。

 娘さんが健康診断でリウマチの検査が陽性と言われたとのことですが、この場合の検査はおそらくリウマトイド因子と考えられます。リウマトイド因子は、関節リウマチではない健常者でも、その陽性率が5~7%になるように設定されています。したがって、関節痛や関節の腫れが無くて、リウマトイド因子陽性のみの場合には、この5~7%に入っている可能性もあります。

 現在、将来的に関節リウマチを発症する可能性を見極める方法はありませんが、同じ関節リウマチの検査である抗CCP抗体が陽性であれば、将来関節リウマチを発症する確率が高くなると考えられますので、これを検査することも発症リスクを判断する材料となります。  

(回答:安田泉先生)